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マカ専門店マカショップ


マカ栽培地を訪ねて原点回帰の旅

 今から4年前、あるテレビ番組がきっかけでマカのことを知り、今では販売するまでにマカにハマっている。なかなか現地へ行く機会がなかったが、今年に入ってようやくマカの収穫時期に合わせて7月2日からペルーへ行くことになった。

 7月2日成田空港、午後6時フライトのアメリカンエアラインに乗り、途中ダラスで乗り換えてリマに同日深夜(現地時間)に到着する。翌日、ペルーのパートナーのマルティンと打ち合わせをして栽培地であるボンボン高原には7月5日に行くことになる。リマからボンボン高原までは片道200kmほどで、道路も整備されていて車で早朝に出発すれば夜には戻れるらしく、日帰りで行くことになった。確か去年の正月番組で幻の食材としてマカが取り上げられ、マカの栽培地をまるで秘境の地のように紹介されているのを見ていたので、どんな僻地かと心配していたが、日帰りで行けると聞き少し安心する。とはいえ、一気に標高差4,000m以上あるところに行くため、高山病に対する不安は解消されない。

 出発当日の朝、高山病対策として水分をタップリと摂ってから高山病の薬を飲む。6時出発の予定であったが、出発時間の6時を過ぎてもマルティンが迎えに来ない。携帯電話の電源が入っていないのか電話もつながらず、前日、レストランでビールやワインを遅くまで一緒に飲んでいたので少し心配になってくる。明日からクスコへ行くことになっていたので今日を逃すとボンボン高原に行けなくなってしまう。7時をかなり過ぎてからやっとマルティンが悪びれることもなく現れた。マルティンの運転で、通訳としてペルー協会で紹介していただいた鈴木智子さんに同行していただいて、ボンボン高原へ向けて出発。途中、ガソリンスタンドでオクタン価の一番高い97のハイオクガソリンを入れ、タイヤの空気圧を上げて山道の高速走行に備える。

 北米大陸と南米大陸を結ぶパンアメリカンハイウエーを走る。このパンアメリカンハイウエーはアラスカを基点として南米大陸の南の端アルゼンチンまで続いているらしい。パンアメリカンハイウエーを数10分走ったあとチョシカ方面へリマック川沿いに走る。

 7月のリマは冬で、ガルーアという霧が立ち込め太陽が出ることはほとんどなく、赤道直下でありながら昼間でもセーターが必要なくらい寒い。我々もリマに到着してから3日目だが、まだ太陽を見ていない。逆にアンデス山脈は乾期で雨がほとんど降らず日差しも強いらしい。道はアンデスに向い少しずつ高度が上がっていく、段々と空が明るくなり、満月のようなオレンジ色をした太陽が出てくる。まるで雲に覆われた暗黒の世界を抜けてアンデスの神、太陽の世界へと入っていくようだ。リマ20号線に入ると山道となり大きなカーブが連続する。道路を囲む山々は木や草がまったく生えておらず、山肌はいかにも鉱物が沢山とれそうな色をしている。実際、鉱物の採掘場のようなプラントが道路沿いにいくつもある。

 走り出してちょうど2時間が経った頃、家畜として飼われているリャマ達と出会い、アンデスを実感する。順調に走っていたら突然、前を走る車が止まる。 がけ崩れがあったらしく片側通行になっている。高度も3,000m近くなってきたので、この機会に高山病に効くといわれているコカの葉を一掴み口に入れて噛む。日本のお茶の葉とそれほど変らない味だが、口の中がピリピリする。水を飲もうと思ってペットボトルのキャップを空けると水が勢いよく飛び出す。薄暗い部屋で冷蔵庫からボトルを取り出したので間違えて炭酸水を持ってきてしまったようだ。


 ほとんど禿山だった山の岩肌が少し緑色を帯びてくる。道路沿いにはイチュの草が生えている。イチュはイネ科の植物で3,000m以下では成長しないらしい。遠くの山間に氷河らしきものが見え隠れしているうちに、4,818mのティクリオ峠に到着する。折角なので、車を止めて降りてみる。車の中に居るときは空気の薄さはまったくと言ってよいほど感じることはなかったが、ゆっくりと歩いているだけで息切れがして鼓動が高まる。ちょうど駆け足で数十メートル走ったときの状態に似ている。気のせいか後頭部が何となく重くボーとした感じがする。

 峠を過ぎると真っ直ぐな高低差のない道が続く。アンデスの尾根の部分を走っているようだが、狭いイメージのある尾根とはまったく違い地平線が見えるほどとんでもなく広い。この先にも食事ができるところはあるが、あまり衛生的ではないということで、まだ午前11時だったが峠から少し走ったところのドライブインで昼食を摂ることにする。ハイランドでのアルコールは危険なので好きなビールを諦めてコカ茶で我慢する。蛙が美味しいということで蛙を注文しようとしたがあいにく品切れとのこと。残念なようでホットしたような複雑な感じで他のものを注文する。

 ドライブインから30分ほど走ると目的地のボンボン高原が見えてくる。少し走ると町が見えてきた。フニンの町に到着したらしい。町の中を見ようと車で入っていく。低層だがシッカリとした建物が道路の両脇に建ち並んでいる。車から降りて露店が連なる路地を歩いて中央広場まで行くと、リマ市内にあるような立派なものではないがカテドラルが建っていて、広場の真ん中には独立運動の英雄シモン・ボリバールの銅像が建っていた。引き帰すときに入った店でマカの瓶詰めを購入する。店の中にマカのお祭りのポスターが貼ってあって、よく見ると7月の8日、9日、10日となっていた。3日ずらしていればマカの祭りが見られたのにと残念に思ったが、すぐに来年はこの祭りを見にこようと思った。町の人はアンデス特有の顔立ちで背も高くなく何となく親近感をもてる。とてもシャイだが馴れると人懐っこいように思う。下校中の小学生達と出会った時もそうだが、最初は警戒しているが一人が近づくと、全員がどっと押し寄せてまとわり着くといった感じだ。


 今回の見学させていただくデナ・ゲレ・ベガさんの農家は、フニンの町から車ですぐのところにあった。ちょうどマカの天日干しの最中で、ビニールテントの下にマカが天日干しされていた。15日間ビニールシートの上で天日干しした後、こちらのビニールテントの下で3ヶ月間天日干しを行うそうだ。天日干しすることによってマカの甘さが増すらしい。 ここから出荷されたマカが私のところで販売されていると思うと、欲目だとは思うがとても美味しそうに見えてくる。ビニールシートで天日干しされている場所に行くと、収穫されたマカが何列にも並べられ天日干しされていた。ここで湿気が入るなどして品質が劣化したマカと出荷するマカをセレクトするそうで、劣化したマカは家畜の餌になるらしいが、この劣化したマカを買いに来る業者もいるらしい。一通りの説明を受けた後、マカの栽培地を見学させてもうことにする。とても歩いていく元気はなかったので、少し離れているが車で行けるところに案内してもらうことにした。


 栽培地に行く前に少し休憩しようということになって、幹線道路沿いの店に入る。中に入ると隙間がないくらい壁中に来店した人の名刺が貼ってあり、日本人の名刺もいくつか貼ってある。屋根に近い壁の部分には、どこかで見たことのある人物の写真が表彰状と並んで掛けられている。ひょっとして、この店は??4年前のTV番組で紹介されたマカおじさん。 当時87歳で4人の妻と3人の愛人、内15歳の愛人がいて、カメラの前で自慢げに腕立て伏せやサッカーをやっていたあのマカおじさんの店?ポンチェを作っている店主に写真を指しながら「ひょっとして、この人マカおじさん?」って思わず日本語で聞いた。私の言ったことが分かったらしく、うなずいている。どうやらマカおじさんの息子さんらしい。残念ながらマカおじさんはここにはいないらしいが、90歳を過ぎた今も近くの町で元気に暮らしているとのこと。


 鍋で煮込んだ2年物のマカに、体がカッカするのを和らげるためにパパイヤを入れ、水、砂糖、ハチミツ、牛乳、卵を加えてミキサーでかき混ぜ、最後にシナモンをふりかけるとマカのポンチェの出来上がり。元気が出すぎて困りそうなポンチェを飲みながら私の原点はここだったんだなあと雰囲気をかみ締めていた。

 マカの栽培地はアンデス山脈のミネラルがタップリ含まれたボンボン高原の東側の丘陵地にあり、出来るだけ高地(標高4,200m以上)の岩や石がない土地を選んでマカを栽培する。10月から11月にかけて種を蒔き、約9ヶ月で成長し、翌年の6月から7月に収穫される。一度マカを栽培した後は、その土地を5年間不毛の地としてしまうほど栄養を吸収してしまうため、栽培後は羊やアルパカなどの家畜を放ち、家畜の堆肥が充分に馴染むまで土地を休ませる。

 デナ・ゲレ・ベガ婦人の栽培地に到着する。葉の色が緑から黄色く変色している。収穫の時期が近づいているらしい。近寄って見ると厳しい自然環境に耐えるためか葉が上に伸びずに地べたを這っている。婦人の栽培地ではないが少し離れた所で収穫作業が行われているのが見える。ダメ元で収穫作業を見学させてもらいに行こうと車で移動する。なだらかな傾斜の栽培地を息切れがしないようにゆっくりと登って収穫作業をしている人達に近づいていく。収穫の邪魔になるので少しためらっていたら、いつの間にか、鈴木さんが作業している人たちと何やら楽しそうに話しをしている。そうこうしているうちに鈴木さんが鍬を持ってマカの収穫を手伝い始めた。すっかり溶け込んでいる。私も近づいて作業風景を撮らせてもらう。誰かが向こうにビクーニャがいるよと教えてくれる。良く見ると標高4,000m以上の高地にしか生息しないというビクーニャが2匹マカを食べていた。できるだけ近くから写真を撮ろうと思って近づいていくが、上り傾斜で息が切れ途中で諦める。


 そろそろ帰ろうかと話していた時に、ワティアで作ったマカがあるが食べるかと聞かれたので、よばれることにする。ワティアは土で作った釜戸のことで、アンデスではワティアでジャガイモを焼き芋のようにして食べることが多いらしい。そういえば昔、焚き火の中にサツマイモを入れて砂を被せて焼き芋にしたのを思い出した。焼き芋状態になったマカの皮をむいてみると、中身も外の色と同じ色をしていて、紫色のマカは中も紫色をしている。味は黄色のマカの方が甘くて美味しいと思った。紫色のマカも甘いが鼻にくるような辛さを感じる。念願の場所で初めて食べるワティアのマカの感動と、アンデスの人たちの優しさに胸が熱くなってくる。来て良かった。